2011 |
11,12 |
と言う事で、昨日はポッキーの日でした。
我が家には姪と甥が遊びに来ていたので、三人で仲良くポッキー食べました。
極細が一番好み。
春ちゃんはきっとこういうイベント事でウキウキして
コンビニでポッキー買ってきちゃうんでしょうね。
かわうぃぃ!!
と、言う事で本日の小話はポッキーの日。
を書こうと思っていたのですが。
きっと世の中にポッキー話なんてゴマンとありますし。
あえて趣向を変えて
ネイルの小話でも。
(11月11日はネイルの日でもあるらしいです。)
ふと、春の手を見ると爪がキラリと光っていた。
淡いピンク色に染められたその爪は艶々としている。
「その爪…。」
「あ、コレですか?」
ふいっと手を伸ばす。
「さっき、クラスの女の子に塗られちゃったんです。
練習させてって。」
白い春の肌に映える桜色。
ふい、ふい、と手を揺らすたびそこに目がいってしまう。
「やっぱり、変ですよね。
家に帰ったらおねえちゃんに除光液かしてもらわないとですね。」
「別に変じゃないけど。」
小さく呟いた悠太の声は春には届かなかったようで
気になるのか、手をじっと見て眉をしかめていた。
「でも、女の子はすごいですね。」
「え?なんで?」
「だって、爪の先まで綺麗に飾って。
山田さん…あ、練習させてって言った女の子なんですけど。
今度の休みにデートだから、新しいマニキュア買ったんだって。
せっかくだから、綺麗に塗るために練習するんだって。
すごく、楽しそうに話してくれたんです。」
ふい、ふい。
手が、爪が揺れる。
「健気で、なんだか可愛いですよね。」
「そうだね。」
ふい。
そう揺れる手を、ぱしっと捕まえる。
春は驚いて腕を引こうとしたが、悠太はそれを許さずぎゅっと手を握った。
「悠太くん?」
「えっと。ほら、こうやって。
手、繋ぎたくなるもんね。
爪まで綺麗だとさ。」
「あぁ、なるほど。
確かにそうかもしれないですね。」
にこにこと、納得して手を繋がれてくれる春を
ちょっと無防備じゃないのかと心配しつつ。
もうしばらく、このままでいれないかなぁと考えてみたり。
我が家には姪と甥が遊びに来ていたので、三人で仲良くポッキー食べました。
極細が一番好み。
春ちゃんはきっとこういうイベント事でウキウキして
コンビニでポッキー買ってきちゃうんでしょうね。
かわうぃぃ!!
と、言う事で本日の小話はポッキーの日。
を書こうと思っていたのですが。
きっと世の中にポッキー話なんてゴマンとありますし。
あえて趣向を変えて
ネイルの小話でも。
(11月11日はネイルの日でもあるらしいです。)
ふと、春の手を見ると爪がキラリと光っていた。
淡いピンク色に染められたその爪は艶々としている。
「その爪…。」
「あ、コレですか?」
ふいっと手を伸ばす。
「さっき、クラスの女の子に塗られちゃったんです。
練習させてって。」
白い春の肌に映える桜色。
ふい、ふい、と手を揺らすたびそこに目がいってしまう。
「やっぱり、変ですよね。
家に帰ったらおねえちゃんに除光液かしてもらわないとですね。」
「別に変じゃないけど。」
小さく呟いた悠太の声は春には届かなかったようで
気になるのか、手をじっと見て眉をしかめていた。
「でも、女の子はすごいですね。」
「え?なんで?」
「だって、爪の先まで綺麗に飾って。
山田さん…あ、練習させてって言った女の子なんですけど。
今度の休みにデートだから、新しいマニキュア買ったんだって。
せっかくだから、綺麗に塗るために練習するんだって。
すごく、楽しそうに話してくれたんです。」
ふい、ふい。
手が、爪が揺れる。
「健気で、なんだか可愛いですよね。」
「そうだね。」
ふい。
そう揺れる手を、ぱしっと捕まえる。
春は驚いて腕を引こうとしたが、悠太はそれを許さずぎゅっと手を握った。
「悠太くん?」
「えっと。ほら、こうやって。
手、繋ぎたくなるもんね。
爪まで綺麗だとさ。」
「あぁ、なるほど。
確かにそうかもしれないですね。」
にこにこと、納得して手を繋がれてくれる春を
ちょっと無防備じゃないのかと心配しつつ。
もうしばらく、このままでいれないかなぁと考えてみたり。
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2011 |
11,11 |
今晩は、まるです。
ご来場ありがとうございます(*´∀`)
みなみちゃんは、お出かけだそうですねぇ。
一方そのころ私は、愛しの姪と甥のおもりな週末です。
今日はポッキーの日だし、何か小話を
と思っていたのですが
どうやら少し無理そうです(;´Д`)
明日はちゃんと更新したいなぁ。
2011 |
11,11 |
«今週末[みなみ]»
今週末は日曜日の夕方まで出掛けます。。。なのでゆたしゅん描けない。。。描きたいものは山積みなのに!!1日1春すらできない!!(前にも書きましたが,1日1回春ちゃんを愛でる事らしいです)
という訳で新幹線なうです。
家から新幹線の出発する駅まで,電車での移動なのですが,私の家の最寄り駅は旧国鉄さんのそれはそれは寂れた駅で(利用される方が少ないだけで,施設はそこそこ)帰宅時間の7時くらいでも人は疎らなのが常なんですが,今日は電車が1本行った後にホームへ上がったので,本当に人影は無し。
時間も少し有ったのでぼーっとしてると,向かいのホームに中学生のカップルが手を繋いで階段を上って来ました。
仲良いなあ。なんて,微笑ましい光景を見ていたら,2人はエレベーターの物陰に。。。
多分隠れたつもりなんですね,向かいのホームの私から。
いや!!私エレベーターの真向かいに立ってた訳じゃなかったんで,見えてるんですよね,逆側からっっ,ちゅーしてるのが!!///
頭隠して尻隠さず状態だよ!!ってココロの中で物凄く叫びましたが,携帯見てるフリしてあげました。。。大人ですからね。
可愛い中学生のする事ですからね,暖かく見守ってあげるのが大人の勤めですね。きっと。
そんな光景を見ながら,うちのゆたしゅんもあんな青春イベント無いかしら??とか思ってしまったり。。。
でも悠太くんはそういう詰めの甘い事はしなさそうかな??春ちゃんはやっちゃいそうですが。悠太くんがさりげなくフォローしそうです。
逆に祐希くんの方が,わかっててやりそうかな。祐希くんは独占欲が強いイメージなんですよねー。
最近ちょっと,こそっとどこかでゆきしゅん描きたい気持ちでいっぱいです。。。
という訳で新幹線なうです。
家から新幹線の出発する駅まで,電車での移動なのですが,私の家の最寄り駅は旧国鉄さんのそれはそれは寂れた駅で(利用される方が少ないだけで,施設はそこそこ)帰宅時間の7時くらいでも人は疎らなのが常なんですが,今日は電車が1本行った後にホームへ上がったので,本当に人影は無し。
時間も少し有ったのでぼーっとしてると,向かいのホームに中学生のカップルが手を繋いで階段を上って来ました。
仲良いなあ。なんて,微笑ましい光景を見ていたら,2人はエレベーターの物陰に。。。
多分隠れたつもりなんですね,向かいのホームの私から。
いや!!私エレベーターの真向かいに立ってた訳じゃなかったんで,見えてるんですよね,逆側からっっ,ちゅーしてるのが!!///
頭隠して尻隠さず状態だよ!!ってココロの中で物凄く叫びましたが,携帯見てるフリしてあげました。。。大人ですからね。
可愛い中学生のする事ですからね,暖かく見守ってあげるのが大人の勤めですね。きっと。
そんな光景を見ながら,うちのゆたしゅんもあんな青春イベント無いかしら??とか思ってしまったり。。。
でも悠太くんはそういう詰めの甘い事はしなさそうかな??春ちゃんはやっちゃいそうですが。悠太くんがさりげなくフォローしそうです。
逆に祐希くんの方が,わかっててやりそうかな。祐希くんは独占欲が強いイメージなんですよねー。
最近ちょっと,こそっとどこかでゆきしゅん描きたい気持ちでいっぱいです。。。
2011 |
11,10 |
パソコンが新しくなりました!!
うれしい~!!早い~!!
でもこれでフォトショップとはさようなら…泣
こんな鉛筆絵しか描かない私ですがフォトショ使います。愛用です。ええ。
絵はあんまり(ほとんど)描けないですけど…写真は加工できたりするんですよ。うん。
そこそこ。うん。
みんなみたいにできるようになりたいと思うアナログ人間なのです。
カラーとか自信ないので、白黒絵が好きなんですよ☆
って風に振舞ってるんです。
そして最近ちょっと祐希くん+春ちゃんがかわいい。
いや、100%ゆたしゅん押しなんですけどね!!
ちょっとした出来心でした。
今週末はできればできればくらいで大学生話更新したい…
と夢みつつ本日は就寝。
≫拍手押してくださった方々、ありがとうございました。
ご来場もありがとうございますvv
うれしい~!!早い~!!
でもこれでフォトショップとはさようなら…泣
こんな鉛筆絵しか描かない私ですがフォトショ使います。愛用です。ええ。
絵はあんまり(ほとんど)描けないですけど…写真は加工できたりするんですよ。うん。
そこそこ。うん。
みんなみたいにできるようになりたいと思うアナログ人間なのです。
カラーとか自信ないので、白黒絵が好きなんですよ☆
って風に振舞ってるんです。
そして最近ちょっと祐希くん+春ちゃんがかわいい。
いや、100%ゆたしゅん押しなんですけどね!!
ちょっとした出来心でした。
今週末はできればできればくらいで大学生話更新したい…
と夢みつつ本日は就寝。
≫拍手押してくださった方々、ありがとうございました。
ご来場もありがとうございますvv
2011 |
11,10 |
ご来場、閲覧ありがとうございます!
昨日は拍手の小話を更新したせいか、とても沢山の方に押していただいたようで
とても嬉しいです(>v<)
ありがとうございます!!
さて、実は私、最近キノの旅というラノベを読み始めました。
え、遅くね?とか言ってはいけませんw
かれこれ、5年ほど前から読みたくって
とうとう、最近買い始めてしまったのです!
私の部屋は本で埋まっているのに、これ以上本を増やしてどうするのか!!www
というわけで、今日の小話はキノパロ!!
旅人なしゅんちゃんっていかがでしょうw
↓
『二人の男』
天気のいいお昼前。
広場の噴水に腰をかけて座る旅人の青年がいた。
栗色のくるくるとした髪の
一見すると女性かと思うほどの甘い顔つきの青年だった。
「悠太くん遅いなぁ。」
旅人は連れの名前をボソリと呟く。
買い物に言ってくる、と言って分かれてから
かれこれ30分はたっている。
情けないほど大きな音でお腹がなった。
もういやだな、なんて旅人が思っていると広場に一人の青年が入ってきた。
長身の、明るい髪の青年だ。
腰には長い刀を引っ掛けていた。
青年を見たとたん、旅人は大またで青年へと近づいていった。
「もぉ!悠太くん遅いです!
ボクお腹がすいちゃいました。」
「は?誰あんた。」
「なにいって!…あれ?」
青年は酷く怪訝そうな顔で旅人を見返した。
旅人も何かおかしいと思いじっと青年を見つめる。
とても良く似てはいるが、青年は旅人の探している連れと違う人物のようだった。
心なしか、この青年のほうが髪が少し長い。
「あ、うわ、あの。…すみません。
ボクの連れにとても似ていて。
あの、連れも腰に同じような刀を下げていて、それであの…。
ごめんなさい。」
旅人はアタフタと言い訳を繰り返し、非礼をわびた。
恥ずかしいのか、旅人の頬には朱が指した。
「へぇ、そうなんだ。
珍しい事もあるもんだね、あんたの連れもこんな刀下げてるわけ?」
「はい、とてもそっくりの物を。」
今時の武器はハンド・パースエイダー(パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)が主流で
刀などの刃物は余り見かけるものではない。
青年はそれまで怪訝そうにしていた表情を一変させ
少しにやりと笑いながら、それはおもしろい。と呟いた。
「俺の名前は祐希。
旅人をしているんだ。
君はこの国の人?」
「ボクは春。
先ほどこの国に着いたばかりの旅人です。」
「君も旅人なんだ。
実は、俺はもう直ぐこの国を出るんだ。
連れがいるんだけど、出国前に買い物に行くって出かけてから中々戻ってこなくて
とても退屈していた所なんだ。
よかったら、そこのカフェでお茶でもどう?」
「それは是非。」
お腹の空いていた春は即座にその誘いに乗る事にした。
広場近くのオープンカフェは、昼前という事もあり人もまばらで空いていた。
悠太はコーヒーを春はパスタのセットを頼んだ。
見た事もない黄色いドロドロとしたソースのかかったパスタは
見た目こそグロテスクだったものの、口に入れてしまえば何のこともない
普通のおいしいパスタだった。
祐希は自分の事や今まで行った国について話してくれた。
機械が発達しすぎて、人が仕事をしない国。
戦車の絵をそこらじゅうに飾って崇拝するおかしな国。
国丸々一つで大きな日時計のようになっている国など。
とても興味深い話ばかりだった。
祐希には2人の連れがいて、バギーに乗ってもうずっと旅をしているそうだ。
「何故旅に出ようと思ったんですか?」
「俺の故郷はずっと北にある雪深い地方にあるんだけれど…。
いや、あったんだけど、のほうが正しいかな。
ある年に、天災に見舞われてね。
猛吹雪が吹いて、そのまま国が埋もれてしまったんだ。」
「それはそれは。」
「国から逃げるように南に逃げて。
そのままうろうろしてたら何時の間にか旅人と言われるようになってた。」
「あの、その武器は?」
春はその長い刀を指を刺した。
悠太はこれ?っと腰にかけた刀にふれた。
「俺の国では武器はパースエイダーより剣の方が主流だったんだ。
今でも、パースエイダーは上手く使えないなぁ。」
なるほど、春は大きく頷いた。
「不便ではありませんか?」
「一緒に旅をしている奴が、パースエイダーの有段者なんだ。
離れた敵はそいつに任せてるから別に不便はないよ。」
ゴーン、ゴーン。
リーン、リーン。
ピピピピピピピピピピピピ…。
一斉に国中の時計が鳴り出した。
広場の大きなオブジェの時計も、店内の壁掛け時計も、店のお客の腕時計も。
けたたましい音に春が驚いていると祐希が飲んでいたコーヒーカップをテーブルに置いて説明をしてくれた。
「この国はね、別名『時計の国』。
朝の7時と9時、昼の12時、3時。夕方の6時と夜の9時。
一斉に国中の時計が鳴り出すんだよ。
それに合わせて国民は規則正しく生活をしてるんだ。
夜遊ぶところもないし、皆まじめすぎてあんまり楽しくない国だったな。」
大音量のアラーム音に紛れてボソリと祐希は不満を漏らした。
暫くすると音は全て止まり、静寂が戻った。
「さて、そろそろ俺は行くよ。
さすがに買い物終わっただろうし。」
「そうですか。
貴重なお話、ありがとうございました。」
二人は立ち上がりカフェを出た。
代金は祐希が払ってくれて「可愛い子とお話できたお礼」と言われ春は苦笑いした。
広場の噴水前まで戻ると祐希が振り返った。
「春はこれからどこに向かうの?」
「西に向かう予定です。」
「ならやめといたほうがいい。
俺は西から来たんだけど。
次の国まで馬鹿みたいに遠いから。」
そう言われ、春は参考にします。と笑顔で返した。
「それじゃぁ、俺にそっくりな連れにもよろしく。」
「はい、お元気で。」
ふらり、と手を上げると祐希は公園を出て行った。
春はその方向を祐希が去った後も暫くじっと見つめていた。
「春!」
後ろから声をかけられ振り返ると、長身で明るい髪の青年が春の元へと駆け寄ってきた。
青年の腰には長い刀を引っ掛けていた。
「何処行ってたの。
待っててって言ったのに。」
「この広場で知り合った方とお話をしていて。
お昼をご馳走になっちゃいました。」
にこにこと笑う春に気が抜けたのか青年はどっと疲れたような顔をした。
「こっちは、とんでもない目にあったって言うのに。
随分のんきな事だね。」
「いったいどうしたんですか?」
思い出すのも嫌だ、と言う風に青年は顔を顰める。
「買い物に言った先で、変な二人組に絡まれてさ。
『何処言ってたんだこの馬鹿!』って。」
「それはそれは。」
「結局は人違いだったみたいなんだけど。
メガネの男と金髪のちびっ子で、それは質が悪かった。」
その話を聞いて春はおもわずふふっと笑った。
世の中には本当に不思議な事もあるものだ。
「それはそうと、悠太くん。
悠太くんの故郷はどちらでしたっけ?」
急な質問に悠太は怪訝そうに眉をひそめる。
「そんなの、知ってるでしょ。
ずっと南の熱帯地方。
豪雨で国が沈んで、北に逃げてきたの。」
「そうでしたね。
その刀は?」
「俺の国ではパースエイダーより剣の方が主流だったんだ。
今でも、パースエイダーは旨く使えないよ。
なに、今更。」
悠太の顔は益々怪訝そうに顔を顰める。
それに反して春は益々楽しそうな笑顔を浮かべた。
「不便じゃないですか?」
「だから、何なの今更。
離れた敵は、パースエイダー有段者の春がいるから問題ないでしょ。
そのジャケットの裏にあるそれは飾りなの?」
とん、と胸を押される。
そこには22口径の自動式パースエイダーが収まっている。
そう言われ春はとうとう笑い出した。
「ふふふ、本当に世界には面白い事がまだまだあるものですね。」
「なに、ホント…。」
もう、っと悠太は肩を落とすと
すたすたと広場から出て行ってしまった。
春はそれを慌てて追いかける。
「まってくださいよっ。」
「そういえば、ここから西は行かないほうがいいみたいだよ。
暫く国がないらしい。」
春は又笑って、参考にします。と答えた。
+++++++++++++++++++++
文章もキノっぽくしてみたつもりだったりしたりしなかったり。
昨日は拍手の小話を更新したせいか、とても沢山の方に押していただいたようで
とても嬉しいです(>v<)
ありがとうございます!!
さて、実は私、最近キノの旅というラノベを読み始めました。
え、遅くね?とか言ってはいけませんw
かれこれ、5年ほど前から読みたくって
とうとう、最近買い始めてしまったのです!
私の部屋は本で埋まっているのに、これ以上本を増やしてどうするのか!!www
というわけで、今日の小話はキノパロ!!
旅人なしゅんちゃんっていかがでしょうw
↓
『二人の男』
天気のいいお昼前。
広場の噴水に腰をかけて座る旅人の青年がいた。
栗色のくるくるとした髪の
一見すると女性かと思うほどの甘い顔つきの青年だった。
「悠太くん遅いなぁ。」
旅人は連れの名前をボソリと呟く。
買い物に言ってくる、と言って分かれてから
かれこれ30分はたっている。
情けないほど大きな音でお腹がなった。
もういやだな、なんて旅人が思っていると広場に一人の青年が入ってきた。
長身の、明るい髪の青年だ。
腰には長い刀を引っ掛けていた。
青年を見たとたん、旅人は大またで青年へと近づいていった。
「もぉ!悠太くん遅いです!
ボクお腹がすいちゃいました。」
「は?誰あんた。」
「なにいって!…あれ?」
青年は酷く怪訝そうな顔で旅人を見返した。
旅人も何かおかしいと思いじっと青年を見つめる。
とても良く似てはいるが、青年は旅人の探している連れと違う人物のようだった。
心なしか、この青年のほうが髪が少し長い。
「あ、うわ、あの。…すみません。
ボクの連れにとても似ていて。
あの、連れも腰に同じような刀を下げていて、それであの…。
ごめんなさい。」
旅人はアタフタと言い訳を繰り返し、非礼をわびた。
恥ずかしいのか、旅人の頬には朱が指した。
「へぇ、そうなんだ。
珍しい事もあるもんだね、あんたの連れもこんな刀下げてるわけ?」
「はい、とてもそっくりの物を。」
今時の武器はハンド・パースエイダー(パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)が主流で
刀などの刃物は余り見かけるものではない。
青年はそれまで怪訝そうにしていた表情を一変させ
少しにやりと笑いながら、それはおもしろい。と呟いた。
「俺の名前は祐希。
旅人をしているんだ。
君はこの国の人?」
「ボクは春。
先ほどこの国に着いたばかりの旅人です。」
「君も旅人なんだ。
実は、俺はもう直ぐこの国を出るんだ。
連れがいるんだけど、出国前に買い物に行くって出かけてから中々戻ってこなくて
とても退屈していた所なんだ。
よかったら、そこのカフェでお茶でもどう?」
「それは是非。」
お腹の空いていた春は即座にその誘いに乗る事にした。
広場近くのオープンカフェは、昼前という事もあり人もまばらで空いていた。
悠太はコーヒーを春はパスタのセットを頼んだ。
見た事もない黄色いドロドロとしたソースのかかったパスタは
見た目こそグロテスクだったものの、口に入れてしまえば何のこともない
普通のおいしいパスタだった。
祐希は自分の事や今まで行った国について話してくれた。
機械が発達しすぎて、人が仕事をしない国。
戦車の絵をそこらじゅうに飾って崇拝するおかしな国。
国丸々一つで大きな日時計のようになっている国など。
とても興味深い話ばかりだった。
祐希には2人の連れがいて、バギーに乗ってもうずっと旅をしているそうだ。
「何故旅に出ようと思ったんですか?」
「俺の故郷はずっと北にある雪深い地方にあるんだけれど…。
いや、あったんだけど、のほうが正しいかな。
ある年に、天災に見舞われてね。
猛吹雪が吹いて、そのまま国が埋もれてしまったんだ。」
「それはそれは。」
「国から逃げるように南に逃げて。
そのままうろうろしてたら何時の間にか旅人と言われるようになってた。」
「あの、その武器は?」
春はその長い刀を指を刺した。
悠太はこれ?っと腰にかけた刀にふれた。
「俺の国では武器はパースエイダーより剣の方が主流だったんだ。
今でも、パースエイダーは上手く使えないなぁ。」
なるほど、春は大きく頷いた。
「不便ではありませんか?」
「一緒に旅をしている奴が、パースエイダーの有段者なんだ。
離れた敵はそいつに任せてるから別に不便はないよ。」
ゴーン、ゴーン。
リーン、リーン。
ピピピピピピピピピピピピ…。
一斉に国中の時計が鳴り出した。
広場の大きなオブジェの時計も、店内の壁掛け時計も、店のお客の腕時計も。
けたたましい音に春が驚いていると祐希が飲んでいたコーヒーカップをテーブルに置いて説明をしてくれた。
「この国はね、別名『時計の国』。
朝の7時と9時、昼の12時、3時。夕方の6時と夜の9時。
一斉に国中の時計が鳴り出すんだよ。
それに合わせて国民は規則正しく生活をしてるんだ。
夜遊ぶところもないし、皆まじめすぎてあんまり楽しくない国だったな。」
大音量のアラーム音に紛れてボソリと祐希は不満を漏らした。
暫くすると音は全て止まり、静寂が戻った。
「さて、そろそろ俺は行くよ。
さすがに買い物終わっただろうし。」
「そうですか。
貴重なお話、ありがとうございました。」
二人は立ち上がりカフェを出た。
代金は祐希が払ってくれて「可愛い子とお話できたお礼」と言われ春は苦笑いした。
広場の噴水前まで戻ると祐希が振り返った。
「春はこれからどこに向かうの?」
「西に向かう予定です。」
「ならやめといたほうがいい。
俺は西から来たんだけど。
次の国まで馬鹿みたいに遠いから。」
そう言われ、春は参考にします。と笑顔で返した。
「それじゃぁ、俺にそっくりな連れにもよろしく。」
「はい、お元気で。」
ふらり、と手を上げると祐希は公園を出て行った。
春はその方向を祐希が去った後も暫くじっと見つめていた。
「春!」
後ろから声をかけられ振り返ると、長身で明るい髪の青年が春の元へと駆け寄ってきた。
青年の腰には長い刀を引っ掛けていた。
「何処行ってたの。
待っててって言ったのに。」
「この広場で知り合った方とお話をしていて。
お昼をご馳走になっちゃいました。」
にこにこと笑う春に気が抜けたのか青年はどっと疲れたような顔をした。
「こっちは、とんでもない目にあったって言うのに。
随分のんきな事だね。」
「いったいどうしたんですか?」
思い出すのも嫌だ、と言う風に青年は顔を顰める。
「買い物に言った先で、変な二人組に絡まれてさ。
『何処言ってたんだこの馬鹿!』って。」
「それはそれは。」
「結局は人違いだったみたいなんだけど。
メガネの男と金髪のちびっ子で、それは質が悪かった。」
その話を聞いて春はおもわずふふっと笑った。
世の中には本当に不思議な事もあるものだ。
「それはそうと、悠太くん。
悠太くんの故郷はどちらでしたっけ?」
急な質問に悠太は怪訝そうに眉をひそめる。
「そんなの、知ってるでしょ。
ずっと南の熱帯地方。
豪雨で国が沈んで、北に逃げてきたの。」
「そうでしたね。
その刀は?」
「俺の国ではパースエイダーより剣の方が主流だったんだ。
今でも、パースエイダーは旨く使えないよ。
なに、今更。」
悠太の顔は益々怪訝そうに顔を顰める。
それに反して春は益々楽しそうな笑顔を浮かべた。
「不便じゃないですか?」
「だから、何なの今更。
離れた敵は、パースエイダー有段者の春がいるから問題ないでしょ。
そのジャケットの裏にあるそれは飾りなの?」
とん、と胸を押される。
そこには22口径の自動式パースエイダーが収まっている。
そう言われ春はとうとう笑い出した。
「ふふふ、本当に世界には面白い事がまだまだあるものですね。」
「なに、ホント…。」
もう、っと悠太は肩を落とすと
すたすたと広場から出て行ってしまった。
春はそれを慌てて追いかける。
「まってくださいよっ。」
「そういえば、ここから西は行かないほうがいいみたいだよ。
暫く国がないらしい。」
春は又笑って、参考にします。と答えた。
+++++++++++++++++++++
文章もキノっぽくしてみたつもりだったりしたりしなかったり。
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