2011 |
11,07 |
・ゆうたんが家電系男子だったなら。
軽快で間抜けな音楽が鳴り響く。
家電店とは、どうしてこうも眩しいのか。
目がパシパシするような明るさの店内はいたる所に四角い箱が並んでいた。
白、黒、シルバー。
モノクロの艶々としたものが沢山だ。
「で、どれにするの?」
悠太に声をかけられた春は、その膨大な選択肢に頭を抱えた。
それはつい先日の事。
皆で携帯で写真を取り合いふざけていた時
手がツルリとすべりボチャンと携帯が水溜りに落ちてしまった。
防水携帯でもなかった春の携帯は、うんともすんとも言わなくなり
あっさりと壊れてしまったのだ。
急遽、携帯を新しくする事になったものの
最近の携帯の事などまるで分からない春は悠太に助け舟を求めた。
「ボク、絵文字の使える携帯がいいんですけど…。」
「いや、大体最近の携帯はどれも出来るから。」
うぅんと、悩む
正直、春にとって携帯などメールと電話の機能以外はほとんど使いこなせない為
どれでもいいというのが本音だった。
「これは?スマホはさすがに使いづらいかも知れないけど。
スマケーならどっちの機能もついてて便利だよ。」
「あ、こっちなんて防水機能付で衝撃にも強いタイプ。
方位磁石とかもついてるんだけど、ゴツイのがちょっと持ちにくいかも。」
「これはソーラー充電が出来るやつで…。」
しかし、連れて来た人選を多少誤ってしまったかもしれない。
大手家電店の携帯売り場について約10分すでに謎の疲労がたまっている気がする。
悠太は所謂家電男子で、
親切心なのは分かっていても、止まらない解説は聞いていて大変だし
何よりさして興味もないので少々苦痛であった。
ほんとに、ほんの少々ではあるが。
あれこれと持ってきてはどこの回し者だ?と思うほどに手厚い接客をする悠太に春は少々ため息をついた。
と、目線を下げた先。
悠太のズボンのポケットから覗くヨッシーのストラップが目に入る。
そのストラップはつい先日、ペットボトルのおまけ付いて
祐希に無理やり携帯に付けられていたものだ。
「それから…。」
「あの!」
「ん?」
まだまだ説明を続けようとする悠太の言葉を途中で遮り、春は悠太のポケットを指差した。
「それ、悠太くんとおそろいの携帯がいいです!」
「え?」
「それなら、もし使い方分からなくなっても悠太くんに聞けばすむじゃないですか。
うん、そうします!」
一瞬悠太は目を大きく見開くとバッと顔を伏せた。
「え?悠太くん??」
「いや、うん、…大丈夫。」
微かに赤い耳になど春はまったく気づかず
早々に携帯を決められた喜びで満足していた。
++++++++++++++
なんてね。
ふと思いついた小話デシタ。
軽快で間抜けな音楽が鳴り響く。
家電店とは、どうしてこうも眩しいのか。
目がパシパシするような明るさの店内はいたる所に四角い箱が並んでいた。
白、黒、シルバー。
モノクロの艶々としたものが沢山だ。
「で、どれにするの?」
悠太に声をかけられた春は、その膨大な選択肢に頭を抱えた。
それはつい先日の事。
皆で携帯で写真を取り合いふざけていた時
手がツルリとすべりボチャンと携帯が水溜りに落ちてしまった。
防水携帯でもなかった春の携帯は、うんともすんとも言わなくなり
あっさりと壊れてしまったのだ。
急遽、携帯を新しくする事になったものの
最近の携帯の事などまるで分からない春は悠太に助け舟を求めた。
「ボク、絵文字の使える携帯がいいんですけど…。」
「いや、大体最近の携帯はどれも出来るから。」
うぅんと、悩む
正直、春にとって携帯などメールと電話の機能以外はほとんど使いこなせない為
どれでもいいというのが本音だった。
「これは?スマホはさすがに使いづらいかも知れないけど。
スマケーならどっちの機能もついてて便利だよ。」
「あ、こっちなんて防水機能付で衝撃にも強いタイプ。
方位磁石とかもついてるんだけど、ゴツイのがちょっと持ちにくいかも。」
「これはソーラー充電が出来るやつで…。」
しかし、連れて来た人選を多少誤ってしまったかもしれない。
大手家電店の携帯売り場について約10分すでに謎の疲労がたまっている気がする。
悠太は所謂家電男子で、
親切心なのは分かっていても、止まらない解説は聞いていて大変だし
何よりさして興味もないので少々苦痛であった。
ほんとに、ほんの少々ではあるが。
あれこれと持ってきてはどこの回し者だ?と思うほどに手厚い接客をする悠太に春は少々ため息をついた。
と、目線を下げた先。
悠太のズボンのポケットから覗くヨッシーのストラップが目に入る。
そのストラップはつい先日、ペットボトルのおまけ付いて
祐希に無理やり携帯に付けられていたものだ。
「それから…。」
「あの!」
「ん?」
まだまだ説明を続けようとする悠太の言葉を途中で遮り、春は悠太のポケットを指差した。
「それ、悠太くんとおそろいの携帯がいいです!」
「え?」
「それなら、もし使い方分からなくなっても悠太くんに聞けばすむじゃないですか。
うん、そうします!」
一瞬悠太は目を大きく見開くとバッと顔を伏せた。
「え?悠太くん??」
「いや、うん、…大丈夫。」
微かに赤い耳になど春はまったく気づかず
早々に携帯を決められた喜びで満足していた。
++++++++++++++
なんてね。
ふと思いついた小話デシタ。
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